幸福な私を覚えていて
祈るひと(28

 

 

 

霧野中尉と会い、間もなくわたしは有馬へ戻った。

あまりに日を置いては、帝都に一人のわたしを、母も心配するだろうし、けれども、何より中尉が、手厳しく「早く行け」と命じたからだ。

 

再会したその晩、彼は我が家に泊まっていった。わたしが引きとめたためと、用心棒のつもりであるらしい。

男とは気楽なもので、その場にごろりと寝転べば、それでいいらしい。

女のように肌の手入れも要らなければ、髪の具合も気にせずに済む。湯を使ってもらい、わたしが縫った浴衣を羽織らせ、うちわの風を送ってあげれば、ちょっと眠そうに、そのまま肘枕で横になった。

客間に伸べさせた布団のあることを言えば、大欠伸で返す。「ここでいい」と言うから、あきれてしまう。

何となく、わたしは自分の膝頭に触れ、「頭を乗せる?」と、彼に訊いた。昼間、梅若という芸妓が言ったことを、わたしは平気な顔の下で、今もちりちりと妬いているのだ。

恥ずかしげなわたしの声を、彼は無造作に欠伸混じりで断った。

「要らん」

「どうして? 男の方は、好きなものじゃないの?」

彼はちょっと笑う。

「だから…、あんたは、一体どこからそんな知恵をつけてくるんだ?」

「だって…」

「何が?」

「…今日の昼、おみつが、霧野様は大層おもてになるみたいだ、なんて言っていたわ」

「は?」

畳についたわたしの手を取り、彼が指をいじりながら、「…港に出迎えに来ていた芸妓らのことか?」。

「俺だけじゃないだろう」

だからどうした、と言った言葉が気に障り、わたしはちょっとふくれて視線を逸らした。

「あいつらには、それぞれ金離れのいい旦那がついてる。金にならない若い俺らに媚を売るのは、気晴らしや遊びみたいなもんだ。本気じゃない」

手を引く彼の側へ、ゆらりと身を傾がせる。そうしながら、「そうかしら?」と、わたしはつぶやいていた。

彼はそれを拾わず、引き寄せたわたしの膝に、不意に頭を乗せた。しっとりとしたぬれ髪が、浴衣地を通して肌に伝わる。

「あんたにこうするのが…」

気が引けた、と彼は言う。

「どうして?」

「さあ、易い気がしない…」

そこで彼は言葉を途切れさせ、頬を当てるわたしの脚へ指を置く。膝の合わせ目を割った手が、じき肌に触れた。その感覚に、どきりと肌が騒いだ。

「知ってるのにな」。小さな彼の声が聞こえた。

「あ」

膝元が寛いで、明かりにわたしの肌が白く浮き立って見えた。彼の指がやや肌をなぞり、唇が触れる。

「こうしたかった」

ぴたりと腿に頬を置いたまま、彼は瞳を閉じた。ほどなく寝息が聞かれ、わたしは身動きもならず、彼の寝顔を眺め続けた。

どれほどかして、襖越しにおみつの声がした。下がる前に、用がないか伺いに来たのだ。もう遅く、十一時を回っている。

普段なら、「おやすみ」だけで引き取らせるのに、わたしは彼女に襖を開けさせた。命に、「え」と大仰にたじろぐところが恥ずかしくもあり、おかしくもある。

乱れた膝をやや直した。おずおずと開いた襖へ振り返り、わたしは唇に一本指を立ててみせる。照明に目をやり、「消して」と小さく頼んだ。

おみつは、瞬時にわたしの膝に眠る中尉を認めたが、目を見開いただけで、驚きに代え、やはり小さな声で、

「お嬢さんは?」

「このままでいいわ。構わないで」

「え」

「いいの」

電気を消して、おみつが下がった。

暗がりに、障子越しに庭からの月明かりがもれ入る。次第に目が慣れ、乾きつつある彼の髪、肩の線、そして眠る顔がうっすらと浮き上がる。

ときにやんわり髪に触れ、また緩慢にうちわで風を送る。重さでじんと痺れる膝の痛みなど、ほんの些細なこと。

そうしていて、頬がほんのり緩む。唇の端がほころぶ。

わたしの膝に頭を預けることを、彼はどうしてか、「気が引けた」と言った。「易い気がしない」と。

ぞんざいに、散々、わたしの気持ちを揺さぶる人なのに。

「馬鹿」

眠る彼へ、小さく小さくつぶやいた。

うっとりと、眠る彼の横顔を見つめ、胸にひっそりとささやくのだ。

「文緒だけのもの」と。

 

 

有馬から再び帝都へ出てきたのは、秋の始まりだ。風が涼気をはらみ、過ごしやすくなった頃、まともに神田の屋敷へ居を戻した。

その時分には、粗方宿屋が出来上がっており、屋敷から小道を隔て柵も設けた向こう側に、これも真新しい二階家が望めた。風に、檜のよい香りがぷんと流れてくる。

母と二人、毎日眺め眺め、宿屋のことをあれこれと楽しく詰めた。料理人と仲居の数、その手配。客室の名前では頭を悩ませた。結局、『桔梗』、『牡丹』、などの、ありふれた花の名で統一することで落ち着く。

浴室に貼るタイルの色でまた悩み、部屋の設えは、京都のある知った宿の趣向を少々拝借した。庭には、庭師の知恵を入れ、ささやかな築山を設け、竹を配し、石を置くなどし、和める風情を出した。

建物自体のことが落着すれば、客室用の備品の購入もあれば、当たり前に什器の仕入れもあった。部屋に飾りもなければ殺風景で、掛け軸、絵の類も必要になる。

他、営業が始まれば、賃金や仕入れなどの毎月の支出も生じる。商売が上手くいっても、いかなくても、その掛かりは当たり前にやってくるのだ。

存外な出費に、呆然ともなり、わたしはちらりと母を見た。申し訳のない気持ちになるのだ。財布は母が握ってい、しかもそれは、父の大切な遺産から出されることになるからだ。

宿屋を思いつき、母を説得し、その計画に夢中になってこれまで来たが、こんなところは、世間知らずのお嬢さん育ちの地が出るもので、ふと、気持ちが揺らぐ。

父の生前から上手なしまり屋であった母の顔色は、大きなお金の出にも全く変わらず、むしろにこやかに、

「もう後戻りは出来ないわよ。さあ、とりあえず、やってみましょう。心配はそれから」

この期に及び、ややひるむわたしへ、やんわりとはっぱをかけるのか、明るい調子で言った。おっとりとし、いかにも奥方然とした母も、さすがに大店のお内儀であっただけ、商売の覚悟も気構えもあるようで、存外なそれに、頼もしくなる。

父が亡くなり、そして不意に震災で屋敷を失った。その頃から何か自分に出来ないか、母を助けていかなければ、と知らずわたしは焦り、模索し続けた。

その答えが、この宿屋でもあるのだけれど、正しかったのか、よかったのか、思いついたわたしですら、ふと、迷ってしまう。ほしかった宿屋の概要が出来てしまった、こんなときほろりと顔を出す、わたしの弱さ。

けれど、母の言葉にその迷いの根が、とんと絶たれたように思うのだ。正解かそうでないか、など、今わかる術などない。

これから、自分たちで日々感じながら、それを探り当てていくのだろう。

不安なようであって、反面、それは毎日の張りになり、また甲斐や幸福に育つ。

それを待とうと思う。

 

予定を早め、来年の夏前開業を、正月前になった。これは、震災後、地方へ疎開をしていた人々が、師走には生活の準備に、大勢帰京するとの風聞を聞いたためだ。

それであれば当座の宿として、宿屋も不足するだろうし、新米のこちらへも客足があるのではないか…。そんな目論見で、やや見切り発車のように、営業を始めた。

以前の成田屋のつながりで、助けてくれる人もあって、駅や停車場、繁華街にも看板を出しておいた。それが功を奏したのか、ちらちらとお客が見え、年を越し、松が取れるまで滞在してくれる家族もあった。

宿の名は、考えるまでもなく、成田屋に因んだものにしたいと、『なりた家』に決めた。

六〜十二畳の間に、縁側と次の間が付いた部屋が、十。それに会食や会議を当て込んだ、広間が二つ。そんな小じんまりとした宿が、それでも満室の日もあった。

母とわたしはお客の出迎えと見送り、宿全般の管理具合を見るのが仕事となった。手が空けば、客室や玄関、浴室などのちょっとした間にも、母が得意の花を活ける。さすがに使用人の扱いも慣れたもので、ほどなく宿屋の女将姿も板に付く。

八人雇い入れた仲居には、接客が初めての者が半分もあり、おせんのところの嫁の幸子が経験者で、仲居頭になり、皆を教育し、束ねてくれることになる。

てきぱきとし、如才がなく、またそつのない幸子は、母も四人の板前も「さっちゃん」と呼び親しみ、頼りにした。母とも、いい人が来てくれた、と喜び合ったものだ。

仲居の中には最初、人が足らないこともあり、女中のおみつも加わっていた。けれども、お喋りが過ぎるのと、客あしらいがぞんざいなのが目に付いた幸子が、これをたびたび注意したが聞かないと、こっそりわたしへ告げた。

「おみつさんは、わたしをてんから外者と馬鹿にして、聞かないんですよ」

おみつを呼んで注意をすれば、こちらは、幸子の言うように、

「お家の何も知らないくせに、あの人、才女ぶって」

などとやり出すから、宿から離し、また家付きの女中に戻した。おみつがこぼすに、皆が皆、幸子を「敬う」のが気に障るのだとか。

「だって、亡き旦那様のことも存じ上げない人ですよ。それが、偉そうに。あたしは長くお家に奉公しておりますから、何でも知っているんですよ。わきまえております。文緒お嬢さんが、何度霧野様に恋文を差し上げたか、何度寝言でお名前を呼んだかまで、全部知っておりますもの」

鼻息を荒くして言うから、呆れてしまう。一緒にいた母は笑ったが、わたしはぼっと頬が熱くなった。母の前で、余計なことを言いやしないかと、「もういいわ」と、急いで下がらせた。

そんなちょっとおかしな出来事もあった。

正月を過ぎれば、新規のご祝儀のようなお客の流れも一時止んだ。

それが春先まで続くから、不安になる。料理は気を入れてちょっと凝った物を出すが、大した設備もない宿屋のこと、料金も低めにしてあった。数がこなせなければ、たちまち収入に響く。

「宣伝が足りないのかしら?」

母に嘆けば、こちらはあっけらかんと、

「赤字がなく、持ち出しがなければそれでいいじゃない」

「だって、もっと儲けがあれば、それで広間を増やせるじゃない。句会や昼食会のお客も、もっと呼べるでしょう?」

わたしは、宿泊客だけでなく、句やなど芸事の集まりにも利用客を増やしたい目論見があった。

母にそれを言えば、ちょっと呆れたように、

「文緒は野心家ね、今に大っきなビルヂングでも建てたいの? お客は、お客が呼んでくれるものよ。うちに泊まって「よかった」と思ってくれたお客が、また別の人にそれを言う、それが順々とつながって、お客が増えればいいじゃない。派手に広告を打って、中身が伴わなければ、一見さんは尽きてしまうわ。『商売は牛の涎』よ、気長にやりましょう。お父さんの成田屋もそうだったわ」

そう宥められ、はやった抑え、気を取り直すうち、冬が終わりかければ、また地方からのお客も増えた。

庭に植えた梅がほころび、それが仕舞いになれば、また別な花が蕾をふくらませる。

桜の準備が整い出すにはまだ早いが、春めいた鳥たちのさえずりも心地よく耳に届く早春、霧野中尉が陸大を終えたとの知らせが入った。

はがきに記された、短い知らせは、わたしの胸をつんと甘く揺さぶる。

素っ気ないほどの文字の羅列。それを指で辿り、何度も目で追いながら、彼が我が家に居候していた頃から、二年余の月日が経ったのだと思い知る。

「陸大を終え、大尉になれば結婚しよう」と、あの人は言った。約束してくれた。彼には似合わないきれいな指輪を送ってもくれた。いつも肌身を離さないので、目をやる必要もなく、自分の指のそのありかは、肌で感じられる。

世間知らずの、お嬢さんに過ぎなかったわたしは、あの頃にはまったく思いも寄らない、宿屋の若女将となった。

父も亡く、懐かしいあの屋敷も消えた。自分の立つ場所が、既にあの頃のわたしのものではない。

二年以上が経ったのだ。

「わたし、二十一になったわ」

この頃の娘の適齢期の、もうぎりぎりに近い自分の歳に思いが傾く。彼を待つことに倦んだ訳ではない、まさか、あきらめた訳でもない。

ただ、離れていることが辛いのだ。

決して音にはならない、心の声が叫んでいる。早く、と。泣いている。

 

あなたのそばにいたい。

 

 

 

彼から電話があったのは、三月の末。

久し振りに耳にする声に、胸がどきんと高鳴った。受話器を耳に当てたのは、自宅の居間だ。母は宿の方にいていないが、片づけをするおみつの姿が見えた。それから背を背け、彼の声を聞く。

わたしからの卒業を祝う言葉を簡単に遮り、彼はちょっと黙った後で、「出てこられないか?」と問うた。

「今から?」

『ああ。でも、駄目ならいい』

ちらりと柱の時計に目をやれば、午後四時を過ぎている。この日は宿にお客が少なかったはず。すぐに頭で考え、

「行けるわ、どこへ?」

彼は都心のホテルの名を出した。そこに泊まっているのだと。不審に思い、問えば、

「明日、シナに行く。その前に会いたい」

簡単なその返しに、わたしは声が出せなかった。シナへ出向くとなれば、以前の渡米のように少なくとも二ヶ月は会えないまま。

結婚も、先へ延びる。

悄然と電話を切り、女中を使い、母へ少し外出すると伝えさせた。居間でわたしの彼との電話を、聞くともなしに全身で聞いていただろうおみつには、真実を伝えた。どうせ偽っても、彼女が電話を取り次いだのだ、すぐと知れてしまう。

「車を呼んで、急ぐから」

元々着替えに帰ってきたのだから、身支度は済んでいる。ハンカチを小さなバックに入れ、お財布を確かめ、車の到着を待った。

三十分も待たされて、ようやく家の前に付いた車へ、当然のようにおみつがお供に乗り込もうとした。それを押し留め、

「一人で行かせて、遅くならないから」

混み合う夕刻の道を進み、目当てのホテルに着いたのは、もう六時に近い頃だった。受付で、彼が使う偽名を告げる。なぜ偽名なのか、これも不審であったが、明日のシナ行きが、彼の言葉から軍務の機密であることを嗅いで、自分を納得させていた。

昇降機で教えられた部屋のある階上に上がった。大きく豪奢なホテルであるし、紳士淑女の姿も多い。何かの会合かパーティーでも催されているのかもしれない。乗り合ったそれらの人々から顔を伏せ、わたしは扉が開くやすぐに降りた。

これから自分のやろうとしていることが、既にわかっている。彼に会うだけではない。それが普段にない後ろめたさを呼んでいる。

 

多分、わたしは、また彼に抱いてもらいたいのだ。

そして、断らないわたしを、彼も知っている。

 

目当ての番号の刻印がある扉を叩けば、ほどなくそれが開いた。

きれいな洋間だった。以前中尉の妹御の屋敷に厄介になったが、それには劣るものの、美しい設えがあり、ビロードのカーテンが下がり、洒落た雰囲気になっている。

彼を認めた途端抱きすくめられた。がちゃんと乱暴な音で背後の扉が閉まる。

口づけを受けながら、それに堪らなくときめきながら、わたしは自分の何かが、がちゃんというその音に、ここですっかり絶たれたような気がした。

夕刻の薄暗い部屋の中で、言葉もなく彼はわたしの帯を解いた。それに抗うすべもなく、わたしはすがるように彼の背に腕を回している。

はだけた襦袢に、彼が手を差し入れた。それで襟元が開き、片方の乳房が露わになる。はじらいにわたしは身をよじらせた。

彼はそれを許さず、力を込めてわたしを抱きすくめた。小さな荷物でも抱えるように、寝台に運んだ。

「覚えておきたい。全部、見せてくれ」

襟の寛いだシャツを、彼がうるさそうにボタンを外していく。喉の奥の鎖骨の辺りにちっちゃなほくろがあるのだ。それを懐かしく目に留め、わたしは瞳を閉じた。

露わになる肌の恥ずかしさから、こんな場面であっても、ほしくて、彼に激しくときめいてしまっている、自分のはしたなさから、

 

逃げるように。

 

一度、その腕に抱いてもらっている。知っているのに、その腕の強さ、肌の熱、そしてその香りに、たじろぐ。

 

「あ」

 

いつかの夜、二人きりであったのに、彼はわたしに触れなかった。「大事にしたい」と、それを避けた。

なのに、それから数ヵ月後、こんなに激しくわたしを求めるのは、どうしてだろう。痛いほど乳房を手のひらでいじり、噛むのはどうしてだろう。

「恭介様」

震える声で彼の名を呼んだ。触れ合うことに心は昂ぶり、芯はほしいのに、わたしのどこかが怯えているのだ。その怯えが、こんなことを彼に問いたがる。

「芸妓も、こんな風に抱くの?」

脚に滑る彼の指が、それで止まった。腰に戻り、肌を辿りながら背に回った。寝台から身を起こし、わたしを抱き起こした。

薄暗く、互いの肌が目ではもう探れない。それに安堵し、わたしは頬を彼の胸に当てた。

嫌なのではない。

ただ、怖いのだ。違った彼が、怖い。

頭の上から声が降る。「すまん」と。

「任務の前に、どうしてもあんたに触れたかった。…そうしないと…」

彼の言葉はそこで途切れ、吐息と共につないだ。それは、「勇気が出ない」と言ったように、聞こえた。

 

「え」

 

「他の女じゃ駄目だ。あんたじゃないと…」

わたしは腕の中で身を硬くした。彼の言葉に頭の中が白くなる。

彼も怖いのだ、これからの何かが。

わからないまま、それが、わたしの心をも震わせる。

 

「俺に、全部くれないか、あんたの全部をくれ」

 

髪に彼の唇が当る。結った髪はとうに乱れてしまっている。帰宅時にこれをどう繕うかなどの些事は、このとき、ちらりとも念頭になかった。

今が、すべてだった。

抱きしめる彼の腕に寄り添い、その中で溶けるようになりながら、わたしは甘えた声で問うのだ。

「文緒だけ? 他の女は嫌、もう抱かないで」

それに、ちょっと笑い声が返る。その声は、いつもの彼と同じものだった。知った声だった。

「可愛いことを言うな」

「ねえ、恭介様…」

唇が、わたしのまぶたをなぜた。頬に触れ、また唇に帰っていく。深く交じり合い、その中で、彼は幾度も言ってくれた。

「文緒だけだ」と。

 

「愛している」

 

その言葉に、悲しくないのに涙がにじんだ。

嬉しいのに、涙が止まらない。

 

「俺の全部をやる」




          


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